私が副業としてwebライターの仕事を始めたのは、令和6年の初めのことで、それからもう1年半が経過いたしました。
「副業収入で余裕ができれば、今の職場でも無敵メンタルで仕事ができるに違いない」
「いやさ、宮仕えはもうおさらばよ。俺はフリーランスとなり、思うがままに生きるのだ」
——そんな風に考えていた時期が 俺にもありました。
なんとなく人生を変えられるような、フワフワとした淡い期待のもと副業に手を出し、
1年半の間にこなした案件はわずかに数件。
手元に残ったのは1万数千円ほどの稼ぎと、
これまでの人生で何度も味わった無力感、自己嫌悪、etc etc…
暗い感情ばかりだったのでございます。
■ 副業解禁、するも動けぬ日々
お上(会社)より副業ノ禁ヲ解クとの御触れが出たのは、その前年の末のことでございました。
私は、狂喜いたしました。
なにやらこの一事で、上手くいかぬ私の人生が——
友達も彼女もおらず、安月給で酒ばかり飲み、何にも自信がなく生きる指針、拠のない我が人生が——
開けていくような気がしたのです。
さて、副業を始めるには、お上に届けを出さねばなりません。
我がボスの印を頂戴する必要がございます。
しかし、これがなかなか難しい。
私は、仕事ができぬのです。
本業すらろくに覚えぬ貴様が、副業に手を出すとは何事か──
そのように言われるような気がして、どうにも踏み切れませんでした。
そうこうするうちに我が社に繁忙期が訪れ、
我がボスの機嫌はいよいよ悪くなっていきます。
安西先生 ……… 副業がしたいです……
そのように申そうものなら、即座に首を刎ねられそうな、
剣呑な雰囲気を醸し出しているのでした。
私が勇気を総動員して副業届を提出し、
そして思いの外、ボスになんの感情をも抱かせることなく、それが受理される頃には、
副業解禁の報に接してから、実に3ヶ月ほどが経過していました。
この腰の重さ、この優柔不断。
思えばこの一時事をとっても我が副業人生は暗唱に乗り上げる兆しがあったのでした。
コメント